1962年10月16日、オーストラリアで生まれた、本名
Michael Peter Balzary(マイケル・ピーター・バルザリー)、身長は165cmと小柄だが左手の握力が120ポンドとすさまじい・・・スラップ、休符を多用するファンク的アプローチと、高速でベースを弾き激しいステージングを行うパンク的アプローチを混ぜたいわゆるミクスチャーロックベーシストのパイオニア。スラップ奏法をロックに持ち込んだ人物の一人である。スラップのモーションは、ファンク、フュージョン系ベーシストに多いいわゆる親指上向きのものとは違い、五指を下向きにして横の回転運動で叩くように行う。これはバンドのパンク要素も混じった楽曲に合わせ、速度を容易に出せるようにした結果と言える。ベースを習う時にコードを中心に教わり、また楽譜、バンドスコアを中心とした作曲・編曲を行うこともある。また、トランペッターとしても高い技術を持っており、バンドの楽曲のいくつかでは自身でトランペットを吹く。ライブでトランペットソロをとることもある。さらにカート・コバーンと友人関係であった。(NIRVANAのライブにトランペットでゲスト出演もしている。)お分かりになりましたか?そう、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリーのことです。
まず、レッチリの音源を聴いて初めに抱く感想は、大抵の人が、ベースがものすごく目立つなぁ、でしょう。でも!フリーのベースラインは目立つだけではないのです!
フレージング、音使い、リズム感、休符の使い方、グリスやスライドの使い方、間の取り方など、ベーシストとして重要視されるあらゆる要素を全て曲中で用い、かつそれを彼独特なノリで表現する。まぁとにかくすごいってことですよ!しかし、正確なきれいなテクニックというより、
感覚的なものを感じます。僕もうまくは言えませんが。例えばテクニック重視のベースをやってる人からすると・・・ところどころミスってる、とか荒っぽすぎるとかでだめ!なんて言われそうですね。でもなんというかフリーはすごいんです。なんといってもライブのパフォーマンス!頭に数百ワットの電球を装着して常時点灯させていたり、局部にソックスをはめた以外は全裸というスタイルだったり、当たり前のように全裸だったりという格好である。そしてベースをパワフルにプレイしながら走り回り、踊り、飛び跳ね、表情を作り、全身でパフォーマンスをする。技巧派ベーシストにありがちな「棒立ちプレイ」とは無縁の男なのだ。
フリーの幼少期から音楽に熱中しており、当時はドラムを叩いていたらしい。小さい頃に感じていたノリが、今に生かされているのかもしれません。そして、11歳の頃には、トランペットの腕はかなりのもになっていたらしく、父親とジャムセッションをしていたらしい。(父親はジャズミュージシャン)
バンド単位では、ロックを基準にして、ファンクやパンク、メタル、ラップ、今では珍しくもないことですが、それらの音楽を混ぜた音楽でした。1980年代にはまったく認められませんでした。(当時はメタルが全盛期であった。)それでもミクスチャーにこだわり続け、第一線に立ったのは言うまでもないですね。
フリーは、ミュージックマン・スティングレイというベース(一時期僕も猛烈にほしかった)を使っているが、そのベースを世界に広めたこと、それから「白人の専売特許」であるかのように勘違いされていた「ロック」を、あえて黒人のプレイヤーからの影響を色濃く反映させてプレイすることで、ロックの在り方に多大なる影響を与えた。もともとルーツはジャズなど黒人のプレイヤーからの影響も大きかったからだと思いますが。スティーヴィー・ワンダーのナンバー、ジミ・ヘンドリックスのナンバーを、彼ら流にアレンジしてカヴァーしているのは、ファンならば御存知であろう。
20年たった今でもまだ前線を走っているバンド、すばらしいバンドと思います。そして、そのバンドを支える素晴らしいベーシストのさらなる活躍を期待して。
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